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スティールギターと男の子

steel guitar, Rickenbacker

リッケンバッカー社製のスティールギター。
リッケンバッカー社は世界で初めてエレキ・スティールギターを商品化して売り出した会社や。

おいらのんはいつ頃に製造されたモデルなんかは知らん。
ハワイ(オアフ)にある行きつけの楽器屋さんで買おた中古品や。

この楽器との出会いは6年前。
ある日、ふらっとその楽器屋さんに立ち寄った時のことや。
店長さんやスタッフさんが、笑顔で声をかけてくれる。

「よう、マーティ、どうだい。いつからこっち(オアフ)に来てるんだい。」
「先月から来てるねん。今は日本は雨季なんやけど、こっちは心地ええなぁ。」
などと、たわいもない話を交わしながら、ふっと見ると。。。

「お!スティールギターやん。ええなぁ、これ。」
「よく見てみろ。リッケンバッカーだぜ。」
「あ!ホンマや。」
「弾いてみろよ。」
店長さんは、アンプとシールドケーブルを繋いでくれた。
トーンバーも貸してくれはった。

やわらか~い音色のするスティールギターやった。
気に入って、ずっと弾いてると、お店に10歳くらいの男の子が入ってきた。
近所の子みたいや。
おいらが弾いてるのんをずっと見てた。

目が合った。

「弾いてみる?」
って、スティールギターとトーンバーを渡した。
ちょっと上目遣いにニコっと笑って、彼はそれを受け取って弾き始めた。
っちゅうか、ちゃんとした弾き方は知らんみたいや。
おいらがやってたのを真似して音を出してる。

んで、
おいらは、店長さんに言った。
「このスティールギター、気に入ったし買う。」
「お!いい目利きしてるねぇ。」

スタッフさんと値段の話とかしてる間も、男の子はずっとスティールギターを弾いて・・・いや、鳴らしてた。

んで、商談成立。
すると店長さん、男の子からスティールギターを、サッと取り上げてしもた。

男の子は、
あ・・・と悲しい目をした。

「ええでぇ、また夕方取りにくるし、もうちょっと弾かせといたら。」
「いや、いいんだ!あいつはいいんだ!」
いつも温厚な店長さんの言い方はなぜか冷たかった。

もしかしたら、よくこのお店にイタズラをしにくる子供やったんかな。。。

おいらがお金を払って、ケースに入ったスティールギターを受け取るまで、彼は恨めしそうに見てた。
その表情が忘れられん。
このスティールギターを見るたびに、その時のことを思い出す。

あの店長さんも、もう亡くなってしまわはった。

ふっと妄想することがある。
その男の子があれから成長して、もしかしたら一流のスティールギタリストになるかもしれへん。
そして、マスコミのインタビューを受けたりする人気者になって・・・
「俺が子供の頃、近所の楽器店に遊びに行ったものさ。
ある時、とってもイカした楽器を見つけたんだ。
スティールギターさ。
気に入ってずっと弾いてたさ。
そしたら、日本人がお金払って、そのスティールギターを買って行っちゃったんだ。
悲しかったぜ。
それが俺とスティールギターの出会いさ。」
などと言ってるかもしれん(笑)


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